九官鳥・寛太のこと。-その2-
あいつ、カラスより賢かったのかもしれない。
あいつ、【恩は水に流し、恨みは石に刻む】タイプだったから・・・
ところでメディアで取り上げられると、そこだけ注目してしまうけど。科学研究は「点」で見ても分かるものではなく、この研究論文に関してもこの分野でのこの問題の定義づけ(掲載誌はこの分野の一流誌)、一連の先行研究、つまりコミュニティが共有する「文脈」がある(だから専門家って時に視野狭窄に陥りやすいと自分は思ってる)。
そもそも何を持って賢いというのか、とか「知性の定義」から始めたら大変なことになってしまうので。それはとりあえず置いておいて。
さて。
おうよ!
うちの寛太は賢かった!
というか「気に入らない相手を記憶」し「復讐を実行」という点において、寛太はなかなかの威力を発揮していた。
最も感心すべき点は、そのことを周りに悟らせずに、【機が熟すまで復讐の機会を待つ】点。しかしこれって、かなり高度では?
だが奴はやってのけた!
私は、寛太を鳥籠から出して自由にさせる、という遊びを、家族の中で唯一、度々やっていた。
どうもね、狭い鳥籠の中じゃつまらないだろう、と気になってしまって。
両親は逃げることを心配して、入り口を洗濯バサミで留めていた。そして確かに寛太は開けようとよく弄ってた。
いや、開けようとしてたのは、私が外に出してからだったかな?あいつも外に出る楽しみを覚えて、開けようとし出したのだったかも。(その辺の時系列は忘れてしまった)
だけど物心ついた時から人間の飼育下にあったせいか、いざ庭に出して入り口を解放しても、寛太は不思議なくらい逃げようとしなかった。
怖いみたいだった。家では積極的に開けようとしてても、外ではそうしなかったのだ。
まぁ、内弁慶なんですね。
というわけで、
私も家の中でのみ、寛太を解放してた。主に、リビングで。
でも両親は嫌がった。なぜかって?
糞を撒き散らすから。
とにかく、糞の量が尋常じゃない鳥だったw
飛び立つ際に脱糞。着地で脱糞。歩きながら脱糞wwwwwww
私はティッシュ片手に奴のケツをおう、追うwwwwwww
テーブルの下に隠れるのが好きで、これには度々困らされた。
出てこないと痺れを切らして私が「寛太ちゃーん!」と呼べば、「はーい!」いいお返事。そしてテーブルの下から顔を出してくる、そこにすかさず捕まえに行けば、ササッ!とまたテーブルの下に逃げる。わざと!!
こんなくだらないやり取りが、あの頃は、なんだか幸せだった。
人間なんてただの糞袋、て言葉をもじって「おまえなんかただの糞筒だw」てからかったりした。悪い人間なので。
とにかく私は、暇をみては寛太を鳥籠から解放して、リビングで飛ばしたり、膝に載せてなでなでして遊んだり、私はその糞筒と戯れあってた。
で。
ある時、長兄がリビングに入ってきた。私以外の家族がリビングに来ない時間を見計らって遊ぶようにしてるので、こういうのは計算外(といっても頻繁に起こる)。
すると寛太、突然長兄に向かって弾丸のように飛ぶ!
ズボンの裾にしがみつく!
突く!つつく!振りかぶって〜っ、突く!!!突きまくる!!!
それはどう見ても、攻撃だった。戯れあいではなく。
私はビックリして、「寛太なにしてんの!」と焦りながら掴んで離そうとした。
しかし寛太氏、俺はまだやり足りてねぇ!!と言わんばかりに、離れない離れない!その間も突く!突ーーっく!!
さすがにマズイと思った私は、無理やり寛太を長兄から引き離し、急いでカゴに戻した。
何が起こったのだろう?
あとで聞いたところ、寛太は長兄にコーヒーをかけられたことがあるらしい。
あまりに父の声を模写して、感情を逆なでしたことがあったとか。
そしてかけられた瞬間は、特に怒ったりした様子は見せなかったという・・・。
笑えるw
つまり寛太は、その恨みをずっっと覚えてたってわけ。
内心ものすごく頭にきて、いつか仕返ししてやると!。しかも普段はそんな態度見せず。
そしてカゴから出て攻撃できる機会を得たので、実行に出たのだ!
最高である!
何ヶ月ごしだったのだろう?正確には記録してないですが、少なくとも1ヶ月以上は経ってたはず。
しかも面白いことに、その後もカゴから出てる時に長兄がいると、必ず攻撃を仕掛けに向かってしまう。そんな状態が続くので、私はその後何年もこの相性の悪さに気を使わなければならなかった。
しかし感情的には寛太の一方通行だったと思う。
人間含め動物って、やられた方は覚えていても、やった方はすぐ忘れる。それが世の常・・・
それにしても、寛太ってもしや賢いんじゃ?
そういうエピソードでいうともう一つ、奴には【かっこつけたい欲の強さ】があった。
なんていうか、プライドが高いことに起因してるんだろうけど、私と戯れあってるとこ、私に気を許してるとこを、他の人間に見られたがらなかった。
どういうこと?て思うけど。
これは実際、本当にあったと思う。
どうもね、これも笑っちゃうんだけど、寛太氏にとっては私は下僕の一人なわけ。
で、その下僕に対して気を許してる、というのは非常にかっこ悪い。
どうもそう思ってたみたい。
なんてったって、私はカゴから出すだけでなく、家族の中で唯一、寛太を膝の上に乗せたり撫でたり、はたまたひっくり返してお尻の穴を覗いて「穴みっけ〜!」とか、そんなことをしてたわけであります。寛太も満更じゃない様子だったのでこっちもつい調子に乗ってしまってw
鳥がお腹を見せるって結構ハードル高いらしいけど、奴も脇が甘いとこあって、私にはそれを、ウッカリやらせてしまってたのだw
色々したけど、例えばこんな感じで↓
九官鳥をマッサージ(肩甲骨編)Myna Bird Massage 1/2
でもこんなことしてる時に誰かが入ってこようものなら、
あ!という間に立ち上がって、『俺はこいつに撫でられてなんかいないぞー!』とでも言わんばかりにおしゃべり始めたり、なんかカッコつけてた。
まるで、
自分のみっともない姿を見られたくない
という感じでw
いやでも、動物に羞恥心があるの?
どうなんでしょうね。
ーーーー
私は、動物の知性は過小評価されてる、という考えです。
研究として発表されるものも、ペットを飼って来た人ならみんな知ってることばかりだし。
ただし、
それを証明するにあたって科学的手法がまだ発達してない、というだけで、科学では否定されてる、というわけではありません。
科学が追いつかない領域、というものもある。それだけです。そしてその殆どは、いずれは追いつくでしょう。
けどまぁ、それはそれとして、
寛太の物語は、綴っておきたいな、と純粋に思います。
なぜかって?
おもしろいからw
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